「野生の中にこそ、世界の保全がある」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“In wildness is the preservation of the world.”
日本語訳
「野生の中にこそ、世界の保全がある」
解説
この言葉は、人間と自然の関係に対するソローの根本的な信念を象徴する一文である。文明化や秩序とは対極にある「野生」が、実は世界が本来の姿を保つために不可欠な力を持っているという逆説的な主張である。ソローにとって、「野生」とは単なる荒々しい自然ではなく、生命力、自由、そして創造の源泉であった。
この名言は、1851年に行われた講演『Walking(歩くこと)』の中で述べられたものである。当時のアメリカでは開拓と産業化が急速に進み、自然が次々と失われていく中で、人間が自然から切り離されることへの強い警鐘を鳴らしていた。ソローは、自然と人間の精神的なつながりを重視し、野生に触れることが人間性を回復する手段であると考えていた。
この言葉は、現代においても環境保護や持続可能性に関する議論の核心に通じる。森林破壊、気候変動、生物多様性の喪失といった問題に直面する現代人にとって、「野生」はもはや脅威ではなく、未来を守るための鍵である。都市生活に慣れた私たちこそ、自然の中に身を置くことで、本質的な価値や調和を再発見することができるという示唆が、この名言には込められている。
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