「午後の散歩では、朝の仕事や社会への義務をすべて忘れたいと願うのだ」

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1817年7月12日~1862年5月6日
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者

英文

“In my afternoon walk I would fain forget all my morning occupations and my obligations to society.”

日本語訳

「午後の散歩では、朝の仕事や社会への義務をすべて忘れたいと願うのだ」

解説

この名言は、自然の中での自由な時間が精神にとって不可欠であるというソローの生活哲学を表している。彼は日々の労働や社会的な義務に縛られるだけでなく、それらから意識的に離れる時間を持つことの重要性を強調している。午後の散歩は、単なる休息ではなく、内的な浄化や再生の儀式であり、束縛された自己から解放される手段であった。

この思想は、19世紀の産業化と都市化が進むアメリカ社会において、人間が自然から切り離されていくことへの警鐘とも読める。ソローは『ウォールデン』において、自然との直接的なふれあいを通じてこそ、自己の本質や真理に近づくことができると述べている。午後の散歩は、そうした超越的な経験を可能にする時間であり、社会的役割から解き放たれた「個」の回復の瞬間でもあった。

現代においても、この言葉は示唆に富む。多くの人々が時間に追われ、常に成果と責任に押しつぶされるような日々を送っているが、意識的に日常から離れ、自然の中で過ごす時間は、心のバランスを取り戻すための重要な習慣となりうる。たとえば、デジタル機器から距離を置いて散歩することは、精神の自由を取り戻す一つの方法である。この名言は、そうした時間の持ち方に目を向けさせる力を持っている。

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