「私はある植物がいつ開花するかを正確に知るために、二週間のうちにその植物のもとを四、五マイルも離れた場所まで六度も訪れたことがよくあった」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“I often visited a particular plant four or five miles distant, half a dozen times within a fortnight, that I might know exactly when it opened.”
日本語訳
「私はある植物がいつ開花するかを正確に知るために、二週間のうちにその植物のもとを四、五マイルも離れた場所まで六度も訪れたことがよくあった」
解説
この名言は、自然への深い観察と忍耐強い探究心を象徴している。ソローは単なる知識や理論ではなく、実際に足を運び、五感で自然と接する体験こそが真の理解を生むと信じていた。数マイルもの距離を何度も歩いて同じ植物を見に行くという行為には、精密な観察によって自然のリズムをとらえようとする意志が込められている。
このような態度は、彼の『ウォールデン』に表れている生き方そのものである。自然との生活を通じてソローは、人間中心的な文明の時間ではなく、自然が刻む固有の時間の流れに調和して生きることを目指した。植物の開花という一見ささやかな現象も、宇宙の秩序や生命の神秘を映す重要な出来事として受け止められていた。
現代においては、こうした自然との接触はしばしば失われがちである。情報を瞬時に手に入れられる時代にあって、この名言は「知る」ことと「体験する」ことの違いを思い出させる。たとえば、都市生活では見過ごされるような季節の変化や自然の営みに対して、能動的に関心を向けることの尊さを改めて認識させる名言である。
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