「ヒンドゥーの文献の一語一句を読むたびに、私は心が高められるのを感じる」

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1817年7月12日~1862年5月6日
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者

英文

“I cannot read a single word of the Hindoos without being elevated.”

日本語訳

「ヒンドゥーの文献の一語一句を読むたびに、私は心が高められるのを感じる」

解説

この名言は、東洋の思想、とりわけヒンドゥー哲学に対するソローの深い敬意と精神的共鳴を表している。彼は西洋の合理主義や物質主義では満たされない精神性を、古代インドの文献――ヴェーダやバガヴァッド・ギーターなど――の中に見出していた。それらの言葉に触れるたびに、魂が引き上げられるような精神的な高揚を感じたのである。

この姿勢は、ソローの超越主義的思想と密接に結びついている。彼やエマーソンは、自然や宇宙の根源的な真理に触れる手段として、東洋の宗教・哲学を西洋思想と対等、あるいはそれ以上の精神的価値として捉えていた。そこに描かれる、内面の静けさ、宇宙との合一、無欲の精神などは、ソローが求めた「自然との調和」「自己の浄化」の理想とも響き合っていた。

現代においてもこの名言は示唆に富む。物質的な豊かさが溢れる一方で、精神的な空虚さに悩む多くの人々にとって、異文化の叡智に学ぶことは視野を広げ、精神の深まりをもたらす。たとえば、瞑想やヨーガ、カルマの思想は、現代的なストレスや欲望の奔流に対して静かな対抗力を与えてくれる。この名言は、言葉が国境を越え、精神を揺り動かす力を持っていることを、美しく、そして静かに証明している。

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