「すべての人は子どもであり、一つの家族に属している。同じ物語が彼らすべてを眠りに誘い、また朝に目覚めさせる」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“All men are children, and of one family. The same tale sends them all to bed, and wakes them in the morning.”
日本語訳
「すべての人は子どもであり、一つの家族に属している。同じ物語が彼らすべてを眠りに誘い、また朝に目覚めさせる」
解説
この言葉は、人間の根源的な共通性と、物語や想像力が持つ普遍的な力を優しく示している。ソローは、年齢や地位にかかわらず、人は誰しも心に幼さや夢想の要素を抱えて生きており、共通の感情や文化によって結ばれている存在であると語っている。ここでの「物語」は、神話、宗教、文化、あるいは希望や恐れといった人間共通の精神的構造の象徴である。
この名言には、ソローの人間に対する親しみと平等主義的な視点が込められている。彼は、人は皆一つの自然、一つの真理、一つの物語に根ざしていると考えた。そして、その物語が日々の営みや人生の始まりと終わりに寄り添い、我々が違いを超えて「同じもの」によって動かされている存在であることを静かに語る。この言葉は、人間の共感の力と、物語が果たす精神的役割を称えている。
現代においてもこの名言は、分断や個別化が進む社会の中で、人と人とをつなぐ普遍的な感情や物語の力を思い出させる。たとえば、国や文化が異なっても、愛や恐れ、希望といった感情は共通であり、それを語る物語はすべての人の心に響く。ソローのこの一言は、人間の違いではなく、深いところでの「同じ性質」に気づくための、静かで温かな呼びかけである。
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