「若者は年長者を老いぼれだと見なすことに情熱を抱く」

ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
  • 1838年2月16日~1918年3月27日(80歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 歴史家、文筆家、政治評論家

英文

”Young men have a passion for regarding their elders as senile.”

日本語訳

「若者は年長者を老いぼれだと見なすことに情熱を抱く」

解説

この言葉は、世代間の認識ギャップを鋭く突いた皮肉である。若者は自分たちの感性や新しい価値観を基準にして、古い考えや振る舞いを持つ年長者を時代遅れあるいは無能と決めつける傾向がある。これは一種の若さゆえの自己過信であり、自我の確立過程にともなう通過儀礼ともいえる。

ヘンリー・アダムズがこの言葉を遺した背景には、19世紀末から20世紀初頭にかけての急速な技術革新と社会変化がある。彼自身、アメリカの政治・文化・教育の転換点を生き、伝統的価値観の揺らぎと向き合った知識人であった。彼の観察は、若さに伴う反抗心だけでなく、時代に対する不安や過渡期の戸惑いも含意している。

現代においても、この傾向はSNS世代とそれ以前の世代の間で顕著である。例えば、若者が政治的・社会的問題に対して積極的な姿勢を見せる一方で、年長者の慎重な態度を「無理解」と誤解することがある。だが、年齢と経験がもたらす洞察や価値も無視すべきではない。若さゆえの断定と、老いゆえの懐疑、その両者が交差してこそ、健全な対話が生まれるのである。

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