「平均的な知能を過小評価しすぎるということは存在しない」

- 1838年2月16日~1918年3月27日(80歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 歴史家、文筆家、政治評論家
英文
”There is no such thing as an underestimate of average intelligence.”
日本語訳
「平均的な知能を過小評価しすぎるということは存在しない」
解説
この名言は、人間の集団的な知性に対する冷笑的な見解を端的に示している。ヘンリー・アダムズは、平均的な知能は想像を超えて低いことがあるため、どれだけ低く見積もっても過剰な悲観にはならないという皮肉を込めてこの一言を残した。「underestimate(過小評価)」は通常、侮ってはならないという意味で使われるが、ここではその逆説を利用し、知能の限界を見誤ってはいけないという警句になっている。
この言葉の背景には、アダムズの政治批判や大衆社会への懐疑がある。彼は民主主義や多数決による政治制度が、必ずしも理性的な判断を導くわけではないことを理解していた。教育水準が低かった当時のアメリカにおいて、大衆の判断やメディアの影響に左右される社会は、しばしば不合理で感情的な方向へと進んでいた。この名言はそうした現実に対する辛辣な歴史家の観察でもある。
現代においても、インターネット上の誤情報の拡散やポピュリズム政治など、集団の判断が必ずしも知性的とは限らない例は数多い。この名言は、民意を盲信するのではなく、常に批判的に見つめる必要性を示している。皮肉とともに知的警戒心を促す、アダムズらしい冷静で鋭利な一言である。
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