「アメリカの大統領は、海に出た船の艦長に似ている。彼には握るべき舵があり、進むべき針路があり、目指すべき港が必要なのだ」

ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
  • 1838年2月16日~1918年3月27日(80歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 歴史家、文筆家、政治評論家

英文

”The American President resembles the commander of a ship at sea. He must have a helm to grasp, a course to steer, a port to seek.”

日本語訳

「アメリカの大統領は、海に出た船の艦長に似ている。彼には握るべき舵があり、進むべき針路があり、目指すべき港が必要なのだ」

解説

この名言は、大統領職という立場の本質を、航海にたとえて明確に描写している。ヘンリー・アダムズはここで、大統領とは単なる名目上の指導者ではなく、目的と指針と責任を明確に持つべき存在であると説いている。「helm(舵)」「course(針路)」「port(港)」という三つの要素は、それぞれ行動力、戦略性、そして明確なビジョンを象徴しており、リーダーシップに不可欠な要素である。

この比喩は、アダムズが政治の本質に対して抱いていた懐疑と期待の両面を反映している。彼はしばしば、アメリカの大統領制度が象徴的な存在に堕していることを批判し、リーダーが真に「操舵」しているのかを問い続けた。同時に、理想の大統領像とは、自律的に国家を導き、困難な海を進んでいく航海士であるべきという信念も込められている。

この言葉は現代にも通用する。国内外の課題に直面する中で、優柔不断な指導者や明確なビジョンを欠くリーダーは国を迷走させる。一方で、目標を定め、ぶれずに進むリーダーは、たとえ嵐の中でも国民の信頼を得る。この名言は、政治家にとって不可欠な「方向感覚」と「責任感」を強く訴える警句である。

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