「権力は毒である。その影響は常に大統領たちに悲劇をもたらしてきた」

ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
ヘンリー・アダムズ(画像はイメージです)
  • 1838年2月16日~1918年3月27日(80歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 歴史家、文筆家、政治評論家

英文

”Power is poison. Its effect on Presidents had always been tragic.”

日本語訳

「権力は毒である。その影響は常に大統領たちに悲劇をもたらしてきた」

解説

この名言は、権力というものが本質的に人間性を蝕む危険な力であるという厳しい警告である。ヘンリー・アダムズは、アメリカ大統領という最高権力の座に就いた者たちが、精神的・道徳的に変質していく様子を歴史的に観察してきた。ここで言う「毒(poison)」は、肉体的なものではなく、人格や判断力、倫理観に対する腐食作用を意味している。

アダムズは大統領ジョン・クインシー・アダムズの孫であり、実際に権力の中枢に近い立場でアメリカ政治の光と影を目撃してきた人物である。彼の著作『ヘンリー・アダムズの教育』でも、政治権力の無慈悲さや指導者たちの精神的孤立が描かれており、「悲劇(tragic)」という言葉には、失墜・腐敗・破滅の予兆が込められている

現代においても、国家の指導者が権力の重圧や周囲の期待、自己陶酔によって道を誤る例は数多く存在する。この名言は、権力に接近する者すべてが自覚すべき倫理的責任と、その毒性への耐性を問いかけるものである。そして、いかに高い地位であっても、人間性を保ち続けることの困難さと、それを乗り越える勇気の重要性を示している。

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