「人間とは、常に神と一体になろうとする、知覚できぬほど小さな原子である」

- 1838年2月16日~1918年3月27日(80歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 歴史家、文筆家、政治評論家
英文
”Man is an imperceptible atom always trying to become one with God.”
日本語訳
「人間とは、常に神と一体になろうとする、知覚できぬほど小さな原子である」
解説
この名言は、人間存在のちっぽけさと同時に、その霊的な志向性の崇高さを表している。「imperceptible atom(知覚できない原子)」という表現には、宇宙や歴史のスケールに比べて、個人の存在がいかに微細で取るに足らないかという認識がある。一方で、「God(神)と一体になろうとする」という志向は、人間の内面的な向上心や絶対的なものへの憧れを意味している。
ヘンリー・アダムズは、科学と宗教、理性と神秘の狭間に立ち続けた知識人であり、その視点から人間の限界と可能性の両面をとらえようとした。この言葉には、進化論や物理学的な視点から人間を「原子」と見る一方で、神秘主義的な高みを目指す「魂の運動」も見て取れる。科学と信仰が分裂していく近代思想に対し、その統合的な理解を模索していたと考えられる。
現代の視点からも、人間はAIや宇宙論の中で自らの位置を問い続ける存在である。自我を持つ微細な存在でありながら、真理や美、善といった絶対的価値に向かって努力し続ける姿は、宗教的であり哲学的でもある。この名言は、人間の存在論的な謙虚さと、精神的な希求の両立という深いテーマを端的に表現している。
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