「国と国との間に真の恩恵を期待したり、それを見込んで計算するほどの大きな誤りはない。それは経験によって正されるべき幻想であり、正しい誇りによって退けられるべきものである」

ジョージ・ワシントン(画像はイメージです)
ジョージ・ワシントン(画像はイメージです)
  • 1732年2月22日~1799年12月14日(67歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、「アメリカ独立戦争の総司令官」

英文

“There can be no greater error than to expect, or calculate, upon real favors from nation to nation. It is an illusion which experience must cure, which a just pride ought to discard.”

日本語訳

「国と国との間に真の恩恵を期待したり、それを見込んで計算するほどの大きな誤りはない。それは経験によって正されるべき幻想であり、正しい誇りによって退けられるべきものである」

解説

この言葉は、国家間関係における冷徹な現実を示している。ワシントンは、国同士が無償の恩義を与え合うことなどなく、利害によって動くのが常であると断じている。国家間に真の「好意」を期待するのは幻想であり、そのような期待は失望や危険を招くと警告している。

背景には、ヨーロッパ列強との外交関係がある。独立直後のアメリカはフランスやイギリスとの間で援助や同盟を模索したが、それらはすべて各国の利害に基づいたものであった。ワシントンはこうした経験から、外交は感情や恩義ではなく現実的な利害と自立心に基づくべきと考えるようになった。

現代においても、この言葉は有効である。国際政治においては、同盟や協力も結局は利害の一致に基づくものであり、無条件の「好意」を期待すべきではない。ワシントンの言葉は、自国の誇りと自立を守り、幻想に依存しない外交姿勢を持つべきだという普遍的な教訓を伝えている。

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