「この問題の廃止に向けた計画が採られることを、私以上に心から望んでいる者は生きている中にはいないと言える。ただし、それが達成されるための唯一にして正当かつ有効な手段は立法権によるものであり、私の一票が及ぶ限り、それが欠けることは決してない」

ジョージ・ワシントン(画像はイメージです)
ジョージ・ワシントン(画像はイメージです)
  • 1732年2月22日~1799年12月14日(67歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、政治家、「アメリカ独立戦争の総司令官」

英文

“I can only say that there is not a man living who wishes more sincerely than I do, to see a plan adopted for the abolition of it — but there is only one proper and effectual mode by which it can be accomplished, and that is by Legislative authority: and this, as far as my suffrage will go, shall never be wanting.”

日本語訳

「この問題の廃止に向けた計画が採られることを、私以上に心から望んでいる者は生きている中にはいないと言える。ただし、それが達成されるための唯一にして正当かつ有効な手段は立法権によるものであり、私の一票が及ぶ限り、それが欠けることは決してない」

解説

この言葉は、奴隷制度の廃止に対するワシントンの個人的願望と、合法的手続きへの信念を示している。彼は、奴隷制度の廃止を心から望みつつも、それを実現するには法による正当な手段を通すことが不可欠であると主張している。個人的な感情ではなく、制度と手続きに基づく変革の必要性を強調している点に、共和主義者としての矜持が表れている。

背景には、アメリカ建国期の奴隷制度の複雑な政治的・経済的事情がある。ワシントン自身も生涯に奴隷を所有していたが、晩年には奴隷制に疑問を抱き、自身の死後に奴隷を解放する遺言を残している。この発言もそうした晩年の思想を反映しており、立法による漸進的かつ正統な廃止を支持する立場を明確にしている。

現代においてもこの言葉は、道徳的信念と法的枠組みの調和の重要性を説いている。社会的な不正や制度的な差別に対して、感情的な反発だけでなく、制度を通じた根本的な改革の必要性を示す教訓であり、持続可能な変化をもたらすための普遍的な原則である。

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