「テロリストが人々の同情を得ている場合、彼らを見つけるのははるかに難しくなる。だからこそ、我々は人々を味方に付ける必要があり、それは世界の責任ある指導者として、問題に対して関心を示すことへとつながる」

- 1930年8月12日~
- ハンガリー出身
- 投資家、慈善家、政治活動家
- ヘッジファンド運用で巨額の富を築き、「イングランド銀行を潰した男」として知られる。オープン・ソサエティ財団を通じて民主主義・人権促進に貢献し、世界各地で社会改革支援を行う。
英文
“If the terrorists have the sympathy of people, it’s much harder to find them. So we need people on our side, and that leads us to be responsible leaders of the world, show some concern with the problems.”
日本語訳
「テロリストが人々の同情を得ている場合、彼らを見つけるのははるかに難しくなる。だからこそ、我々は人々を味方に付ける必要があり、それは世界の責任ある指導者として、問題に対して関心を示すことへとつながる」
解説
この言葉は、テロ対策には単なる軍事力だけでなく、民心を得ることが不可欠であるという認識を示している。ジョージ・ソロスは、単純な力による弾圧ではなく、根本的な社会問題への配慮が安全保障に直結することを強調している。テロリストが人々から支援や隠れ場所を得る背景には、貧困や不正義といった深刻な社会問題が存在することを暗に指摘している。
この発言の背景には、9.11以降のアメリカによる対テロ戦争がある。ソロスは、無差別的な武力行使が逆に反感を買い、テロを助長する危険性を警告した。彼は、世界のリーダーたる国こそが、問題に真剣に向き合い、人々に希望を与える政策を示すべきだと考えていたのである。国際協力、人道支援、社会的不平等の是正など、軍事以外の方法によるアプローチを求めた点が重要である。
現代においても、単なる強硬策ではテロや極端主義の根本解決には至らないことが繰り返し証明されている。ソロスのこの指摘は、「勝つためには心をつかめ」という、単なる理想論ではない実際的な戦略論として、国際社会において今なお重い意味を持っている。
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