「国家主義者は自分の側が犯した残虐行為を非難しないばかりか、それについて聞こえないふりをする卓越した能力を持っている」
- 1903年6月25日~1950年1月21日
- イギリス植民地時代のインド出身
- 作家・ジャーナリスト
- 代表作「1984年」や「動物農場」を通じて全体主義や権力の乱用に対する鋭い批判を展開し、現代文学と思想に大きな影響を与えた
英文
“The nationalist not only does not disapprove of atrocities committed by his own side, but he has a remarkable capacity for not even hearing about them”
日本語訳
「国家主義者は自分の側が犯した残虐行為を非難しないばかりか、それについて聞こえないふりをする卓越した能力を持っている」
解説
この名言は、国家主義がもたらす盲目的な忠誠と偏見について鋭く批判している。オーウェルは、国家主義者が自分の国や陣営の行動を美化し、たとえ非道な行為があったとしても無視しがちであることを指摘する。このような態度は、相手側の罪を非難する一方で、自分たちの問題については見て見ぬふりをするという二重基準を生み出しやすい。
この現象は、現代の政治やメディアにも見られる。国家や団体に対する忠誠心が強すぎると、自らの所属する側の問題点を見過ごしがちになり、他者の非を強調する傾向がある。例えば、戦争や紛争において、自国の行動を正当化し、敵対勢力の行為のみを批判する構図が繰り返されることが多い。このような態度が固定化されると、公正な視点や真実を見極める力が損なわれる。
オーウェルの言葉は、国家や集団に対する無批判な忠誠心の危険性を示している。健全な国家や社会を築くためには、まず自分の側の行動を客観的に見つめ、不正や過ちを正す姿勢が必要である。この名言は、私たちに対し、偏見のない判断力と自己批判の重要性を再認識させるものである。
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