ジョージ・バークリー

• 1685年3月12日～1753年1月14日（67歳没）
• アイルランド出身
• 哲学者、聖職者、「主観的観念論（イマテリアリズム）を提唱した近代哲学者」

人物像と評価

ジョージ・バークリー（George Berkeley）は、アイルランド出身の哲学者・聖職者であり、唯心論（観念論）哲学の代表的人物である。

彼の最も著名な主張は、「存在するとは知覚されることである（Esse est percipi）」という命題に集約される。

これは、物質は精神に依存しており、精神なしには存在し得ないという根本的な立場を意味する。

バークリーは、ロックの経験論を継承しながらも、物質実在の概念を否定し、すべての存在は心とその知覚内容によって成り立つと論じた。

そのため、彼の思想は後のヒュームやカント、さらには現代の哲学にも深い影響を与えた。

彼の思想は、当時の常識的な物質観に反していたため、「観念に閉じこもった極端な主観主義」との批判も受けたが、同時に、科学の基礎にある「観測と意識の問題」を先取りしていた点で、今日再評価されている哲学者である。

名言

1. 「正直者など存在しないと言う者は、自分こそが不正直者であると確信してよい」
2. 「真実は皆が口にするが、実際に扱えるのはごくわずかである」
3. 「私はむしろ、人間のような最も愚かで無分別な動物であるくらいなら、カキでいたい」
4. 「自らの観察について自由に考察できる心は、たとえ世の中の役に立たなくても、自らを楽しませることにはほとんど失敗しない」
5. 「一見懐疑へと導く原理も、ある程度まで追究すれば、人を常識へと連れ戻す」
6. 「目は長く慣らせば最も暗い洞窟の中でも見ることができるようになる。同様に、どんなに難解な主題でも、じっくりと熟考すれば真理のかけらを見出すことができる」
7. 「自分でほこりを巻き上げておきながら、見えないと文句を言っている」
8. 「他の者たちは自由について語り、書き、戦い、そのふりをすることもできる。しかし、真に自由なのは自由に思考する者だけである」
9. 「自分の思考を、言葉を取り除いた純粋な観念に限っている限り、私が簡単に誤るとは思えない」
10. 「この世界の創造という、これほど異常な出来事を認めるなら、我々は他のどんな奇跡よりも、人間の理解を超えた、奇妙で奇抜で新しい何かを認めていることになる」
11. 「天のすべての合唱と地上のすべての調度、つまり世界を形づくるあらゆる物体は、心なくしては何の実在も持たない」
12. 「思考も、情熱も、想像によって生まれる観念も、心なくしては存在しないということは、誰もが認めることである」
13. 「私の知る限り、多くのものが存在するかもしれない──それについて私も他の誰も、いかなる観念や概念を持つこともできないようなものが」
14. 「私自身の存在と、自分と自らの観念のうちに見出される依存性から、理性の働きによって、私は神の存在と、すべての被造物が神の心の中に存在することを必然的に推論する」