「賽は投げられた」

- 紀元前100年7月12日頃~紀元前44年3月15日
- ローマ共和国出身
- 軍人、政治家、作家、独裁官
- ガリア戦争での勝利により軍事的名声を得て、ローマ内戦を制して終身独裁官に就任。共和政を終焉へと導く政治改革を推進しつつも、元老院派により暗殺された。ローマ帝政への転換点を築いた古代史上最も影響力のある人物の一人として知られている。
英文
“The die is cast.”
日本語訳
「賽は投げられた」
解説
この言葉は、重大な決断が下され、もはや後戻りできない状況に突入したことを象徴する言葉として、古代から現代に至るまで引用され続けている。ここでの「die(賽)」はサイコロのことであり、一度投げれば出目は操作できず、結果は運命に委ねられる。この言葉は、決断と運命、行動と責任の結びつきを強烈に表現している。
この名言は、紀元前49年、カエサルが軍を率いてルビコン川を渡ったときに発したとされる言葉である。ローマ法により、軍を率いたままローマ本土へ入ることは禁じられていたため、この行為は事実上の内戦開始を意味していた。カエサルは一線を越えるという選択をし、その先にどのような運命が待っていようとも受け入れる覚悟を示した。この瞬間がローマ史を根底から揺るがす転換点となった。
現代においてもこの言葉は、人生や政治、経済などの場面で「決断の不可逆性」を表現する際によく使われる。起業、離婚、告発、宣戦――一度踏み出せば元には戻れない重大な選択をする際、人はしばしばこの言葉を思い起こす。「賽は投げられた」とは、運命の流れに飛び込む勇気と覚悟、そして行動する者にしか味わえない現実を意味する、永遠の決断の象徴である。
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