「どれほど勇敢な者であっても、予期せぬ出来事には心を乱される」

ガイウス・ユリウス・カエサルの名言(画像はイメージです)
ガイウス・ユリウス・カエサルの名言(画像はイメージです)
  • 紀元前100年7月12日頃~紀元前44年3月15日
  • ローマ共和国出身
  • 軍人、政治家、作家、独裁官
  • ガリア戦争での勝利により軍事的名声を得て、ローマ内戦を制して終身独裁官に就任。共和政を終焉へと導く政治改革を推進しつつも、元老院派により暗殺された。ローマ帝政への転換点を築いた古代史上最も影響力のある人物の一人として知られている。

英文

“No one is so brave that he is not disturbed by something unexpected.”

日本語訳

「どれほど勇敢な者であっても、予期せぬ出来事には心を乱される」

解説

この言葉は、人間の勇気には限界があり、どれほど大胆不敵に見える者であっても、不意の出来事には動揺せざるを得ないという、鋭い人間観察を示している。勇気は確かに美徳であるが、それを揺るがすのは理性ではなく、予測できないという事態の性質そのものである。この名言は、人間の心の構造に根差した恐怖の本質を突いている。

カエサル自身、幾多の戦争や政治的危機を経験する中で、敵の奇襲や味方の裏切り、予期せぬ運命の転変を目の当たりにしてきた。その実感として、勇者でさえ「意外性」には耐えがたい影響を受けると確信したのであろう。つまり、勇気とは恐怖がない状態ではなく、恐怖とともに前進する能力であり、不測の事態に心を乱すこと自体が人間として自然であると認める姿勢がここにはある。

現代においても、この言葉はリーダーや危機管理に携わる者にとって重要な示唆を与える。訓練や経験を積んだ者であっても、突発的な状況には感情的反応を示すことがある。だからこそ、組織や個人は予期せぬ事態に対する備え――すなわち「備えによる勇気」を持たねばならない。この名言は、真の勇気とは、心の揺らぎを否定するのではなく、それに立ち向かう覚悟にあることを語っている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest


0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る