「来た、見た、勝った」

- 紀元前100年7月12日頃~紀元前44年3月15日
- ローマ共和国出身
- 軍人、政治家、作家、独裁官
- ガリア戦争での勝利により軍事的名声を得て、ローマ内戦を制して終身独裁官に就任。共和政を終焉へと導く政治改革を推進しつつも、元老院派により暗殺された。ローマ帝政への転換点を築いた古代史上最も影響力のある人物の一人として知られている。
英文
“I came, I saw, I conquered.”
日本語訳
「来た、見た、勝った」
解説
この言葉は、迅速かつ圧倒的な勝利を象徴する、簡潔にして最も有名な戦勝報告の一つである。原文はラテン語の「Veni, vidi, vici(ウェーニー・ウィーディー・ウィーキー)」であり、行動・観察・制圧という三段階を、余分な装飾を排して直線的に表現している。この構造は、決断力と行動力の極致を示すものであり、古代ローマ的精神の象徴といえる。
この言葉は、紀元前47年、カエサルが小アジアのゼラでポントス王ファルナケス2世を撃破した後、ローマ元老院への報告に用いたとされている。戦いは一日で終結し、カエサルの圧倒的な軍事的手腕が示された。この簡潔な表現は、戦果の内容以上に、カエサルの自信と支配力、そして軍事的カリスマを世界に示すための政治的演出でもあった。
現代でも、この言葉はビジネス、スポーツ、芸術など、短期間で成果を収めた状況を象徴する決まり文句として用いられている。その背後には、準備・観察・実行を迅速に行い、結果を確実に手にすることの価値と美学がある。この名言は、勝利とは長広舌ではなく、結果で語るべきであるという、行動主義の哲学を体現している。
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