「人間は自由である限り、できるだけ早く崇拝すべき誰かを見つけようとするほどの、これ以上ない切実で苦しい不安を抱える」

ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキーの名言
  • 1821年11月11日~1881年2月9日
  • ロシア帝国出身
  • 小説家、哲学者
  • 『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』、『白痴』などの作品を通じて、人間心理と哲学的テーマを深く探求した

英文

“Man, so long as he remains free, has no more constant and agonizing anxiety than to find as quickly as possible someone to worship.”

日本語訳

「人間は自由である限り、できるだけ早く崇拝すべき誰かを見つけようとするほどの、これ以上ない切実で苦しい不安を抱える」

解説

この言葉は、人間の自由と宗教性、あるいは他者への依存心について深い洞察を示している。人間は完全な自由を手にすると、その責任と選択の重さに耐えきれず、何かまたは誰かにその自由を委ねようとする傾向がある。この「崇拝」とは単なる宗教的行為に限らず、アイデオロギー、権威、またはカリスマ的な人物に対する依存をも指す。

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の「大審問官」の章では、このテーマが明確に描かれている。自由がもたらす孤独や苦悩に対し、人々はしばしばその自由を捨て、誰かに従うことを選ぶ。この行為は安心感をもたらすが、同時に自己を失う危険性も孕む。自由と崇拝の間にある矛盾と葛藤が、ドストエフスキーの思想の核心をなすテーマの一つである。

現代においても、この言葉は強い関連性を持つ。多くの人々は、自由という名の下で選択肢に囲まれながらも、アイドル、政治的リーダー、または社会的な流行に過剰に依存する傾向を見せる。自由をどう扱うべきかという問題は、依然として人間の存在における中心的な課題であり、この言葉はその本質を鋭く捉えている。

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