「人間は自らの悩みを数えることを好むが、喜びを数えることはしない」
- 1821年11月11日~1881年2月9日
- ロシア帝国出身
- 小説家、哲学者
- 『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』、『白痴』などの作品を通じて、人間心理と哲学的テーマを深く探求した
英文
“Man only likes to count his troubles, but he does not count his joys.”
日本語訳
「人間は自らの悩みを数えることを好むが、喜びを数えることはしない」
解説
この言葉は、人間の心理の一側面を鋭く突いている。悩みや問題にばかり意識が向いてしまうのは、自己保存や生存本能が原因であるとも言える。人は苦難に注意を向け、それを解決することで危機を乗り越えようとする。しかし、その一方で日常の中の喜びや幸せは、当たり前と感じてしまいがちだ。この結果、苦しみの割合が過大評価され、幸福感が薄れてしまう。
ドストエフスキーがこのような言葉を語った背景には、彼の激動の人生が影響していると考えられる。彼はシベリアでの過酷な流刑生活や経済的困窮、持病に苦しみながらも、文学という表現を通して深い喜びや救いを見出していた。悩みが多い人生であっても、その中に埋もれた幸福を見つけることの大切さが、この言葉に込められていると解釈できる。
現代社会でも、この言葉は人々の生活に重要な示唆を与える。例えば、忙しい日常の中でストレスや問題ばかりを意識すると、人生の豊かさを見失ってしまう。しかし、小さな喜びや感謝の瞬間に目を向けることで、幸福感を取り戻すことが可能となる。この言葉は、悩みだけでなく喜びも数える習慣を持つことの重要性を教えてくれる。
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