「すべてを救うには、すべてを賭けねばならぬ」

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
英文
“To save all we must risk all.”
日本語訳
「すべてを救うには、すべてを賭けねばならぬ」
解説
この言葉は、大いなる目的を成し遂げるためには、等しく大きな覚悟と犠牲が求められるという、英雄的かつ道徳的な覚悟を語っている。シラーの文学には、信念や正義のために自己の安寧や命すら投げ出す人物が数多く登場するが、この名言はそうした人物像の精神的核心を端的に表している。
18世紀末の革命と戦争の時代において、自由や国家、あるいは人間性そのものを守るためには、安全圏に留まることなく、自らを賭して行動せねばならないという思想が強く共有されていた。シラーもまた、理念のために闘う勇気を称賛し、安易な妥協を拒絶する文学的態度を貫いた。この言葉は、個人の倫理と公共の正義が一致する瞬間の劇的な緊張を表している。
現代でも、人類全体の課題――気候変動、戦争、パンデミック、不平等――に立ち向かうには、部分的な安全や利益に固執せず、全体の未来に賭ける覚悟が求められる。この名言は、守りに入ることではなく、勇気ある決断と自己超克によってこそ、真に価値あるものが救われるのだという力強いメッセージを発している。妥協ではなく、犠牲をも厭わぬ行動こそが、世界を救う鍵となる。
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