「英知を愛するには、すでに賢くなければならない」

フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
  • 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
  • ドイツ出身
  • 劇作家、詩人、歴史家、哲学者

英文

“They would need to be already wise, in order to love wisdom.”

日本語訳

「英知を愛するには、すでに賢くなければならない」

解説

この言葉は、知恵を愛するという行為自体が、すでにある程度の知性を必要とする逆説を含んでいる。無知のままでは、そもそも知恵の価値を理解できず、それを追い求めようという意志すら生まれないという洞察である。シラーの思想においては、人間の理性や感性は段階的に成熟するものであり、この名言はその発展の過程を冷静に見つめたものである。

この考え方には、古代ギリシアの哲学—とくにプラトンの「哲学を愛する者=フィロソファー」概念—の影響が見られる。無知な者は自らを無知だと認識しない限り、知恵を追い求めようとはしない。ゆえに、知を愛する者とは、すでに自らの無知を知る賢さを備えている者でなければならない、という構造がここにある。

現代においても、学びに向かう第一歩は「自分は知らない」と認める勇気と知性にある。たとえば、自己満足に陥った者は学ぶ意欲を失い、成長も止まるが、真の知者は常に疑問を持ち、さらに深く知ろうとする。この名言は、知的謙虚さと知的探究心が不可分であることを鋭く指摘している。

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