「宇宙は神の想念のひとつである」

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
英文
“The universe is one of God’s thoughts.”
日本語訳
「宇宙は神の想念のひとつである」
解説
この言葉は、宇宙の存在そのものを神の思考の表現とみなす形而上学的な命題である。つまり、目に見える世界は物質的な現象というより、神の理性や理念の一端として捉えられている。シラーの思想にはキリスト教的伝統だけでなく、プラトン主義やドイツ観念論の影響が色濃く表れており、この名言もそうした哲学的背景の中で理解されるべきである。
18世紀末から19世紀初頭のドイツでは、「理性」や「理念」が宇宙の本質であるとする思想が隆盛を極めていた。シラーと親交のあったゲーテやフィヒテ、シェリングらも、自然や宇宙を単なる物質の集まりではなく、精神的原理や神性の表れと見なしていた。したがってこの言葉も、宇宙が偶然の産物ではなく、意味と目的を宿した「思考の対象」であるという認識に立脚している。
現代においても、宇宙の秩序や法則の背後に知性を見出す声は根強い。天文学や量子物理学の進展によって、宇宙の構造が驚くほど精密で調和的であることが明らかになるにつれ、それを「神の設計」あるいは「知的な意志」とみなす考え方も生き続けている。この名言は、科学と信仰の間にある深い対話の可能性を象徴しているとも言える。
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