「世界の歴史こそが、世界の法廷である」

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
英文
“The history of the world is the world’s court of justice.”
日本語訳
「世界の歴史こそが、世界の法廷である」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉は、歴史が最終的な裁きの場であり、人間の行為や国家の選択、文明のあり方がその中で審判されるという重厚な理念を示している。その場においては一時的な権力や人気ではなく、真実・正義・道義といった価値が長い時間の中で評価される。シラーは歴史を単なる過去の記録ではなく、倫理的意味を帯びた「人類の審判の場」としてとらえていた。
この名言は、ドイツ観念論に見られる「理性の歴史」観とも響き合う。たとえばヘーゲルは「世界史とは自由の意識の発展である」と説いたが、シラーもまた、歴史を通じて人間の自由・理性・正義が試され、証明されていく過程としてとらえていた。過去の行為は一見忘れられるように見えても、歴史の中では必ず評価と帰結を迎えるという信念が込められている。
現代においても、戦争、革命、差別、環境破壊など、人類が下してきた選択のすべては歴史という場で検証され続けている。その意味で、歴史の目は決して盲目ではなく、人間の行いを記録し、評価し、時代を超えて影響を及ぼす裁きの力を持つ。この名言は、私たち自身の行動もまた歴史の法廷に提出されていることを思い起こさせる、倫理的で警鐘的な言葉である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「フリードリヒ・フォン・シラー」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い