「復讐はそれ自体が不毛である。それは恐ろしいものを糧とし、歓びは殺意にあり、行き着く先は絶望である」

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
英文
“Revenge is barren of itself: it is the dreadful food it feeds on; its delight is murder, and its end is despair.”
日本語訳
「復讐はそれ自体が不毛である。それは恐ろしいものを糧とし、歓びは殺意にあり、行き着く先は絶望である」
出典
出典不詳(編集中)
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出典不詳(編集中)
解説
この言葉は、復讐という感情の破壊的な本質と、その結末の虚しさを容赦なく描き出している。復讐は外的な報復行為であると同時に、内面における怒りと憎悪の循環でもあり、自己を蝕む感情である。シラーは劇作家として人間の激情を鋭く描き出し、この名言には悲劇的な人間心理への深い洞察が込められている。
18世紀末の文学では、「復讐」はしばしば悲劇の中核的テーマとして扱われたが、シラーはそれを美化するのではなく、その愚かさと破壊力を強調した。この名言では、復讐が「殺意」を喜び、「絶望」で終わるとまで言い切ることで、それがいかに自己破壊的な衝動であるかを浮き彫りにしている。復讐は一時的な満足を与えるかに見えて、実は虚無と苦しみしかもたらさないという、道徳的・心理的メッセージが明確に打ち出されている。
現代においても、私的報復や敵意の連鎖は、個人間から国際関係に至るまで、憎しみの悪循環を生み出している。この名言は、感情に駆られて報復に走ることの無益さと危険性を鋭く告げ、真の解決は赦しと和解、そして理性に基づく対話にこそあるという深い教訓を与えてくれる。復讐の甘美な誘惑に抗い、未来を切り開くための精神的指針として、この言葉は今なお力強く響く。
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