「この人生のすべての財のうち、名声こそ最も高貴なものである。肉体が塵に帰しても、偉大な名は生き続ける」

フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
  • 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
  • ドイツ出身
  • 劇作家、詩人、歴史家、哲学者

英文

“Of all the possessions of this life fame is the noblest; when the body has sunk into the dust the great name still lives.”

日本語訳

「この人生のすべての財のうち、名声こそ最も高貴なものである。肉体が塵に帰しても、偉大な名は生き続ける」

解説

この言葉は、物質的な財産や地位は死とともに失われるが、名声――すなわち人々の記憶に残る「名」――だけは時を超えて生き続けるという、永続的価値への賛美である。シラーは詩人・劇作家として、個人の行動や人格が歴史に刻まれることの意義を深く理解しており、この名言には一時の生よりも、永遠に残る精神的遺産への強い憧れが込められている。

古代ローマ以来、「名誉(gloria)」や「不朽の名声(immortality through fame)」は英雄や賢者の理想であり、シラーもそれを継承している。彼の作品には、死を超えて評価される人物像が多く登場し、そこでは身体の滅びと精神の永遠という二元性が強調される。この名言は、単なる名誉欲ではなく、「人間としてどう記憶されたいか」という道徳的・美的問いかけでもある。

現代においても、デジタル社会の記録性と瞬間性の中で、「名前を残す」ことの価値は改めて問われている。この名言は、物質的成功よりも、人格・功績・思想といった精神的遺産を大切にせよという普遍的な教訓を与えてくれる。人生は有限でも、名は無限に語り継がれる可能性がある。だからこそ、どのように生き、何を残すかが、人生の真の問いとなる。

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