「いかなる皇帝といえども、心に命ずる力は持たぬ」

フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
  • 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
  • ドイツ出身
  • 劇作家、詩人、歴史家、哲学者

英文

“No emperor has the power to dictate to the heart.”

日本語訳

「いかなる皇帝といえども、心に命ずる力は持たぬ」

解説

この言葉は、どれほど絶対的な権力を持つ支配者であっても、人間の内面――とりわけ「心」や「愛情」、「信念」などの精神的自由――を強制することはできないという、自由の根源的な本質を語っている。シラーは、外的な支配や暴力では決して魂を征服できないことを深く信じており、この名言はその信念を端的に表している。

18世紀末は絶対王政の影が色濃く残る一方で、フランス革命によって自由と人権の理念が激しく主張され始めた時代である。シラーはその歴史的転換点に立ち、政治的自由だけでなく、個人の内面の尊厳や精神の独立を重視した。この名言は、法や軍事力が及ばない「心の自由」がいかに神聖で不可侵であるかを示している。

現代においても、思想・信仰・愛情といった内面的自由は、たとえ監視社会や権威主義の下にあっても、最終的に外部から完全に支配されることはない。この言葉は、人間の尊厳とは、心の自由を守り抜くことにこそ宿るという力強いメッセージを私たちに届ける。権力が法や身体を縛ることはできても、心の奥にある真実の声を封じることはできないのだ。

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