「遠い未来に迷うな、汝の時をつかめ」

フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
  • 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
  • ドイツ出身
  • 劇作家、詩人、歴史家、哲学者

英文

“Lose not yourself in a far off time, seize the moment that is thine.”

日本語訳

「遠い未来に迷うな、汝の時をつかめ」

解説

この言葉は、空想的な未来に思いを巡らせすぎて現在を見失うなという警告であり、同時に今この瞬間を生きよという積極的な呼びかけである。シラーは詩人であり劇作家であると同時に、実存的な人間の姿勢にも深い関心を抱いており、この名言はまさに「今」を生きることの価値を凝縮したものである。

18世紀末から19世紀初頭にかけてのヨーロッパは、理性と理想が交錯する時代であり、未来への希望や進歩思想が語られる一方で、現実の行動を疎かにする風潮もあった。シラーはそうした精神的傾向に対し、夢想に耽るばかりで実行しない姿勢を戒めている。この名言には、時間という不可逆の資源に対する鋭い自覚と、それを活かす勇気が込められている。

現代社会においても、将来の不安や期待に心を奪われ、今この瞬間を生きることが疎かになることは珍しくない。たとえば、理想のキャリアを思い描くあまり、今日の努力を怠ることがある。この名言は、未来を否定するのではなく、未来を築くためには今をつかむべきだという、きわめて実践的なメッセージを伝えている。

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