「芸術は自然の右手である。自然が私たちに存在を与えただけなのに対し、芸術は私たちを人間にした」

フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
フリードリヒ・フォン・シラー(画像はイメージです)
  • 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
  • ドイツ出身
  • 劇作家、詩人、歴史家、哲学者

英文

“Art is the right hand of Nature. The latter has only given us being, the former has made us men.”

日本語訳

「芸術は自然の右手である。自然が私たちに存在を与えただけなのに対し、芸術は私たちを人間にした」

解説

この言葉は、芸術が人間性を完成させる本質的な力を持っているという、シラーの美学的世界観を端的に表現している。自然は生命や身体といった「存在」そのものを与えてくれるが、芸術は理性・感性・自由の表現を通じて人間を人間たらしめる「文化的完成」の手段であるとされている。

シラーは「美的教育」によって人間がより自由で調和のとれた存在になれると考えた。芸術は単なる装飾や娯楽ではなく、人間の内面を目覚めさせ、道徳的・精神的成長を促すものであり、それゆえ自然の片腕として「人間を創造する力」を担うと位置づけられている。

現代においても、芸術が果たす役割は単なる美的快楽を超え、教育、社会運動、癒し、哲学的探求など多方面に及ぶ。シラーのこの言葉は、自然に与えられた存在を超えて「どのように生きるか」を模索し、完成された人間としての生を築くうえで、芸術が不可欠であることを深く教えている。

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