「すべてのことは必然である。人間は意志を持つ唯一の生き物である」

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
英文
“All things must; man is the only creature that wills.”
日本語訳
「すべてのことは必然である。人間は意志を持つ唯一の生き物である」
解説
この言葉は、自然界のすべては因果や必然に従って動くのに対し、人間だけが「自由意志」によって行動できるという、人間存在の特異性と尊厳を語っている。「must(〜せざるをえない)」は自然や機械の法則性を、「wills(〜しようとする)」は主体的選択と自由を象徴する。シラーにとって、人間は自然界に属しながらも、それを超える精神的・倫理的存在であった。
この名言は、カント哲学の強い影響を受けている。カントは「人間は目的のために行動することができる唯一の存在であり、理性をもって自己の行為を律する」と説いた。シラーもまた、人間の自由と道徳的自律を芸術や教育の核心に据え、「美を通じて自由な人格を育む」ことを追求した。この言葉は、その哲学的信念を凝縮したものといえる。
現代においても、「自由意志」の問題はAIや神経科学、法哲学など多くの分野で議論されている。私たちは外的環境や遺伝的要因に影響されながらも、自らの判断と責任において行動する存在として社会的に扱われている。この名言は、人間が「選び、意志する」存在であるという根本的な価値と、その尊厳を思い出させてくれる。
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