「美的な事柄は、社会と個人の調和ある発展にとって根本的である」

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
英文
“Aesthetic matters are fundamental for the harmonious development of both society and the individual.”
日本語訳
「美的な事柄は、社会と個人の調和ある発展にとって根本的である」
解説
この名言は、美や芸術が単なる装飾ではなく、人間と社会の発展における本質的要素であるというシラーの思想を示している。彼にとって、人間の内面を豊かにし、自由と調和をもたらすものこそが「美」であり、その美的感性の教育こそが健全な人格形成に不可欠である。
18世紀末、合理主義と感性の対立が激化する中、シラーは『美育(美的教育)』を通じて、理性と感情、個人と社会の調和を可能にするのが美的体験であると説いた。彼は、美によって人は強制されることなく善に向かい、社会は強権ではなく共感によって結びつくと考えたのである。
現代においても、芸術教育の軽視、実用主義の台頭、文化活動の削減といった傾向が、個人の感受性の劣化や社会の分断につながっている。この名言は、美的経験が内面の自由と共感を育み、より人間的な社会の礎となることを再認識させる。人間が人間らしくあるためには、美を感じ取る力を育てることが欠かせないという真理が、ここには込められている。
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