「同じ言葉を使うことは、理解を保証するものではない。同じ言葉を、同じ種類の内的経験に対して使う必要がある。最終的には、共通の経験を持つことが必要なのだ」

フリードリヒ・ニーチェ
フリードリヒ・ニーチェの名言
  • 1844年10月15日~1900年8月25日
  • ドイツ出身
  • 思想家、哲学者、詩人、古典文献学者
  • 『ツァラトゥストラはこう語った』『善悪の彼岸』『道徳の系譜』などの著作で、従来の道徳や宗教、真理に疑問を投げかけ、現代哲学に多大な影響を与えた

英文

”To use the same words is not a sufficient guarantee of understanding; one must use the same words for the same genus of inward experience; ultimately one must have one’s experiences in common.”

日本語訳

「同じ言葉を使うことは、理解を保証するものではない。同じ言葉を、同じ種類の内的経験に対して使う必要がある。最終的には、共通の経験を持つことが必要なのだ」

解説

ニーチェは、単に言葉を共有するだけでは本当の理解には至らず、言葉が指す内的な経験や感覚が一致していなければならないと述べている。人は同じ言葉を使っても、それが示す感情や体験は個々人で異なる場合が多い。たとえば「愛」や「自由」といった言葉は人それぞれ異なる意味や感じ方があり、単に言葉を用いるだけでは、実際に共有する内的な感覚が違う場合、深い理解には結びつかない。ニーチェは、真の理解が成立するには、単なる言葉の一致以上に、その言葉が生まれる経験自体を共有することが必要であると考えている。

この考えは、現代のコミュニケーションや共感の重要性に関する議論にも関連している。たとえば、ある特定の体験をした者同士でのみ理解される感情や苦しみがあるように、共通の経験があることで初めて本当の意味での共感が生まれることがある。共通の経験を持たないままでは、表面的な理解や共感にとどまりやすい。ニーチェの言葉は、言葉の意味を共有するだけでなく、共通の体験を通じた理解が人間関係においていかに重要かを示唆している。

ニーチェのこの言葉は、言葉の表面だけでなく、言葉が指し示す内面的な意味や経験にまで目を向けることの重要性を教えている。本当の理解や共感には、共通の体験や価値観が不可欠であり、そうした背景があってこそ言葉が真の意味を持つ。ニーチェは、言葉を超えた共感や経験の共有が人間関係の深さを増し、理解を深める鍵であると考えている。

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