「偉大な詩人の題材となるべきものは、創造の第七日目以降に訪れる神の退屈である」
- 1844年10月15日~1900年8月25日
- ドイツ出身
- 思想家、哲学者、詩人、古典文献学者
- 『ツァラトゥストラはこう語った』『善悪の彼岸』『道徳の系譜』などの著作で、従来の道徳や宗教、真理に疑問を投げかけ、現代哲学に多大な影響を与えた
英文
”A subject for a great poet would be God’s boredom after the seventh day of creation.”
日本語訳
「偉大な詩人の題材となるべきものは、創造の第七日目以降に訪れる神の退屈である」
解説
ニーチェは、神が天地創造を終えた後、完璧に作り上げられた世界を眺めつつも、その静寂の中で「退屈」という感情を抱くかもしれないと想像している。この「退屈」は、神のような絶対的な存在にとっての「創造」というダイナミックな活動が終わった後の虚無感を象徴している。すべてが完了した完璧な世界において、もはや挑戦や成長の余地がない状態は、神にとっても退屈であるかもしれないというニーチェの独特な視点が表れている。
この視点は、人間の創造性や成長欲に対する深い洞察をも含んでいる。たとえば、人間も仕事やプロジェクトが完了した後、しばしば達成感と同時に空虚感や退屈を感じることがある。目標や挑戦があるときに感じる活力や充実感が、完成とともに薄れ、次の目標や創造的な活動を求める衝動が生まれる。ニーチェは、創造性や活動を通じた成長が人間の存在にとって不可欠であり、それが絶え間なく続くことで生きる意味が見出されると考えているのかもしれない。
ニーチェのこの言葉は、完璧や完成がもたらす静寂の中にも虚無や退屈が潜んでいることを教えている。何もすることがない完璧な状態よりも、創造や挑戦の過程にこそ本当の生きがいや意味があるという洞察がここにある。ニーチェは、人間の創造的な精神が、目的を達成することよりも、その過程や活動そのものに価値を見出すことの重要性を示唆している。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い