「非人間的なものは神的でありえない」

フレデリック・ダグラス
フレデリック・ダグラス(画像はイメージです)
  • 1818年2月頃~1895年2月20日(77歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 奴隷解放運動家、作家、演説家、政治活動家

英文

“That which is inhuman cannot be divine.”

日本語訳

「非人間的なものは神的でありえない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が意図しているのは、神や道徳の名のもとに正当化される行為であっても、それが人間の尊厳や苦しみに反するならば真の正義ではありえないという考え方である。宗教や理念がどれほど崇高に語られても、それが人を傷つけ、貶め、道具として扱うなら、その根拠は偽りであるという倫理的な基準がここに示されているのであり、人間性こそが道徳の最終的な物差しであるという価値観が込められている。

この言葉が響いた十九世紀の思想的状況では、奴隷制はしばしば聖書や神意によって正当化されていた。フレデリック・ダグラスは、そうした神学的弁明に対して、人を財産として扱う制度はどのような神を持ち出しても正当化できないと反論し、信仰と人間性を結びつけ直すことを通じて抑圧の論理を崩そうとしていた。

現代においてもこの言葉は、イデオロギーや宗教、国家の名で行われる暴力や差別を批判的に検証するための基準として生き続けている。抽象的な正義や聖なる目的が個々の人間の苦しみを踏み潰すとき、それは啓蒙思想が求めた理性と道徳の裏切りにほかならない。自由と規律の関係もまた、人間の尊厳を中心に据えるかぎりにおいてのみ正当化されるという洞察が、この短い一文に凝縮されているのである。

「フレデリック・ダグラス」の前後の引用


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