「人を疑い深くさせるものは、知識の乏しさほどのものはない」
- 1561年1月22日～1626年4月9日
- イングランド出身
- 哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族
- 近代科学の基礎を築く「帰納法」を提唱し、またイギリス経験主義の祖として後世に影響を与えた
英文
“There is nothing makes a man suspect much, more than to know little.”
日本語訳
「人を疑い深くさせるものは、知識の乏しさほどのものはない」
解説
フランシス・ベーコンのこの言葉は、知識や理解が乏しいことが、物事への不安や疑念を生みやすい原因となるという洞察を示している。彼は、知識が少ないと、理解できないことが増え、それに対して不安や不信感が高まると考えた。知識が十分であれば、物事の背景や意味が理解でき、不安や疑いを持つ必要が少なくなるが、知識が限られていると、想像が疑念や恐怖に向かいやすいという教訓が込められている。
知識が不足していると、人はその欠けている部分を憶測で補おうとし、不確実な情報に依存することが多くなる。これが過剰な疑念や不安感を引き起こし、他人や物事に対する信頼を損ないやすくなる。たとえば、科学や技術に関する基礎知識がないと、誤った情報を信じやすくなったり、不必要な不安を抱くことがある。知識が増えれば増えるほど、冷静かつ客観的な判断が可能となり、不安や疑念が減少するとベーコンは示唆している。
現代においても、この言葉は知識と信頼の関係の重要性を示している。十分な知識や情報を持つことは、他者や物事への信頼を高め、冷静な判断を支えるための基盤となる。ベーコンの言葉は、知識が疑念や不安の抑制に役立ち、理解を深めることが物事をより正確に捉える力となるという教訓を伝えている。
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