「病人に話しかけるときは、後ろから、ドア越しから、または距離を置いて、さらには彼が何かをしている最中に話しかけてはいけません。この点における召使いの形式的な礼儀正しさは病人にとって非常にありがたいものであり、そのため多くの病人は理由もわからないまま、召使いだけをそばに置くことを好むのです」
- 1820年5月12日~1910年8月13日
- トスカーナ大公国(イタリア)出身
- 看護師、統計学者
- 近代看護を確立し、クリミア戦争での活動を通じて衛生改革を推進、『看護覚え書』を執筆した
英文
“Never speak to an invalid from behind, nor from the door, nor from any distance from him, nor when he is doing anything. The official politeness of servants in these things is so grateful to invalids, that many prefer, without knowing why, having none but servants about them.”
日本語訳
「病人に話しかけるときは、後ろから、ドア越しから、または距離を置いて、さらには彼が何かをしている最中に話しかけてはいけません。この点における召使いの形式的な礼儀正しさは病人にとって非常にありがたいものであり、そのため多くの病人は理由もわからないまま、召使いだけをそばに置くことを好むのです」
解説
この名言は、病人に接する際の礼儀や配慮がいかに重要であるかを説いている。ナイチンゲールは、病人が心地よく過ごせる環境を作るためには、相手の心理や身体の状況を細やかに理解することが不可欠であると考えていた。後ろから声をかけたり、不意に話しかけたりする行為は、病人に不安や不快感を与える可能性があるため、避けるべきだと彼女は指摘している。
特に「召使いの形式的な礼儀正しさ」が病人に喜ばれるという指摘は、看護師や介護者が患者に対してどのように接するべきかを示唆している。形式的な行動であっても、それが一貫して丁寧で配慮に満ちたものであれば、病人に安心感を与える。逆に、不適切な接し方は病人の心理的ストレスを増大させ、回復を妨げる可能性がある。
現代の医療や介護においても、この言葉は重要な教訓を提供している。患者中心のケアの基盤として、患者の気持ちや状況に寄り添う接し方が不可欠である。また、形式的な礼儀であっても、それが相手の尊厳を守り、心の平穏を提供する役割を果たすことをナイチンゲールは示唆している。この名言は、病人に対する尊重と配慮を忘れないことの重要性を教えてくれるものであり、看護の本質を端的に表している。
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