「病院の第一の要件として『患者に害を与えないこと』を挙げるのは、奇妙な原則のように思えるかもしれません」

フローレンス・ナイチンゲール
フローレンス・ナイチンゲールの名言
  • 1820年5月12日~1910年8月13日
  • トスカーナ大公国(イタリア)出身
  • 看護師、統計学者
  • 近代看護を確立し、クリミア戦争での活動を通じて衛生改革を推進、『看護覚え書』を執筆した

英文

“It may seem a strange principle to enunciate as the very first requirement in a hospital that it should do the sick no harm.”

日本語訳

「病院の第一の要件として『患者に害を与えないこと』を挙げるのは、奇妙な原則のように思えるかもしれません」

解説

この名言は、医療機関の基本原則に関するナイチンゲールの鋭い洞察を示している。当時、病院は感染や不適切な治療が原因で患者の健康を悪化させる場所となることが珍しくなかった。彼女は、病院の最も基本的な役割は患者を傷つけないことであると明確に述べることで、そのような状況を批判し、改善を求めた。

「患者に害を与えないこと」は、ヒポクラテスの誓いにも通じる医療倫理の基本原則であり、ナイチンゲールはこれを看護や病院運営の根幹として再確認している。この言葉は、一見当たり前に聞こえるが、19世紀の病院環境では革命的な発言であった。衛生管理が不十分な中、病院での治療が患者の命を危険にさらすことは少なくなかったからである。

現代においても、この名言は重要な意味を持つ。医療事故や過剰医療が問題視される中、「害を与えない」ことは依然として最優先事項である。また、患者の身体的ケアだけでなく、精神的な負担を軽減することも「害を与えない」医療の一環といえる。ナイチンゲールのこの言葉は、医療従事者がその本質的使命を再確認し、医療の質を高めるための指針を提供している。彼女の教えは、医療の進歩があっても変わらない普遍的な価値を持ち続けている。

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