「粗末な建築の家が健康な人に及ぼす影響は、粗末な建築の病院が病人に及ぼす影響と同じです。家の中の空気がよどんでしまうと、必ず病気が起こります」

フローレンス・ナイチンゲール
フローレンス・ナイチンゲールの名言
  • 1820年5月12日~1910年8月13日
  • トスカーナ大公国(イタリア)出身
  • 看護師、統計学者
  • 近代看護を確立し、クリミア戦争での活動を通じて衛生改革を推進、『看護覚え書』を執筆した

英文

“Badly constructed houses do for the healthy what badly constructed hospitals do for the sick. Once insure that the air in a house is stagnant, and sickness is certain to follow.”

日本語訳

「粗末な建築の家が健康な人に及ぼす影響は、粗末な建築の病院が病人に及ぼす影響と同じです。家の中の空気がよどんでしまうと、必ず病気が起こります」

解説

この言葉は建築や環境が人々の健康にどれほど影響を及ぼすかを端的に示している。ナイチンゲールは看護の分野だけでなく、公衆衛生の改善にも強い関心を抱き、特に空気の流れや衛生環境の重要性を説いた。ここで指摘されているのは、適切な換気の欠如が病気の原因となることだ。これは、19世紀の不衛生な生活環境や施設が原因で多くの疫病が蔓延していた背景を考えると、非常に現実的な警鐘である。

ナイチンゲールが活躍した時代、建物の構造は必ずしも健康を重視したものではなかった。彼女は病院の設計や運営においても空気の流れを確保することの重要性を強調し、それが後に近代医療施設の基礎を築く一因となった。これを現代に置き換えるならば、住環境の質が生活の質や健康寿命に直接影響を与えるという考え方に通じる。

また、この言葉は現在の「シックハウス症候群」や建築物における環境基準の議論にも通じる。住まいや職場での空気環境の質は、依然として見過ごされがちであるが、ナイチンゲールのこの名言は、私たちに健康的な環境の必要性を再認識させるものと言える。時代を超えて、その洞察力は今もなお価値を持っている。

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