「1959年に革命が勝利したとき、我々の島はまさにヤンキーの植民地だった。アメリカ合衆国は、我々の解放軍を欺き、武装解除させていた。農業が発展しているとは到底言えず、存在していたのは、大規模なプランテーションであり、そこでは主に人力と家畜による労働が用いられ、一般に肥料も機械も使われていなかった」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“When the Revolution triumphed in 1959, our island was a true Yankee colony. The United States had duped and disarmed our Liberation Army. One couldn’t speak of developed agriculture, but of immense plantations exploited on the base of manual and animal labour that in general used neither fertilizers nor machinery.”

日本語訳

「1959年に革命が勝利したとき、我々の島はまさにヤンキーの植民地だった。アメリカ合衆国は、我々の解放軍を欺き、武装解除させていた。農業が発展しているとは到底言えず、存在していたのは、大規模なプランテーションであり、そこでは主に人力と家畜による労働が用いられ、一般に肥料も機械も使われていなかった」

解説

この言葉は、1959年のキューバ革命以前の実態を描写し、革命の正当性と必要性を強く主張するフィデル・カストロの歴史認識を表している。カストロは、当時のキューバを「ヤンキーの植民地」と明言し、政治的独立を装いながらも経済的・軍事的にはアメリカの支配下にあった状態を厳しく批判している。特に「解放軍の武装解除」に言及することで、アメリカによる内政干渉と国家主権の侵害がいかに深刻であったかを浮き彫りにしている

また、農業の描写は、キューバ経済の非近代性と依存構造の象徴として提示されており、広大なプランテーションが労働集約的かつ低技術のまま放置されていたことが、農村の貧困と不平等を助長していたという主張に直結する。これは、革命後の農地改革や機械化、教育と医療の普及などの社会主義的政策が、いかに深刻な後進性を克服するために導入されたかという背景の説明でもある。

現代においてこの言葉は、植民地主義の残滓と経済的従属の克服という文脈で、国家の自己決定と社会構造の根本的再編成の重要性を説く歴史的証言として読むことができる。カストロのこの発言は、革命の目的が単なる政権交代ではなく、経済的主権と社会的正義の確立を目指す包括的な変革であったことを強く示す政治的宣言である。

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