「ナチスに対する祖国防衛のために、二千六百万人のロシア人が命を落とした」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“Twenty-six million Russians died in the defense of their homeland against the Nazis.”
日本語訳
「ナチスに対する祖国防衛のために、二千六百万人のロシア人が命を落とした」
解説
この言葉は、第二次世界大戦におけるソ連の犠牲の大きさと、その歴史的重みへの敬意を表している。フィデル・カストロは冷戦期においてソビエト連邦と緊密な関係を築き、共産主義陣営の一員としてその歴史を肯定的に捉える姿勢を示していた。ここでは、ナチス・ドイツに対して最も大きな犠牲を払った国としてのソ連(ロシア)を取り上げ、その人命の代償によって勝ち取られた勝利の正当性を強調している。
この発言には、反ファシズムという普遍的な価値観と、国家的犠牲への共感が込められている。第二次世界大戦でのソ連の死者数は全体で2,400万人以上と推定され、そのうち多くが民間人であった。カストロはこの歴史を引き合いに出すことで、戦争の悲惨さと、侵略に対する抵抗の正義性を訴えている。また、同様の論理で自身の革命やアメリカ帝国主義への対抗も正当化しようとした。
現代においてもこの言葉は、戦争の記憶を風化させず、犠牲を払った国々への理解と敬意を促すものとして意味を持つ。特に、歴史の解釈が分断を生みやすい国際社会において、共通の敵であったファシズムに対する連帯の記憶は、和解と対話の基盤となりうる。カストロのこの言葉は、歴史的犠牲への沈黙を拒否する姿勢の表れである。
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