「すべてのキューバ人にとってまともな住まいを建てるのに十分な建材も、人手も豊富にある。だが、もし我々が金の子牛を待ち続けるなら、千年が過ぎても問題は解決されないままだろう」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“There is plenty of building material and more than enough manpower to make a decent home for every Cuban. But if we continue to wait for the golden calf, a thousand years will have gone by, and the problem will remain the same.”

日本語訳

「すべてのキューバ人にとってまともな住まいを建てるのに十分な建材も、人手も豊富にある。だが、もし我々が金の子牛を待ち続けるなら、千年が過ぎても問題は解決されないままだろう」

解説

この言葉は、フィデル・カストロが住宅問題の解決には資源も人材もそろっているにもかかわらず、実行を妨げる誤った期待や幻想に対する批判を込めた発言である。特に後半の「金の子牛(the golden calf)」という表現は、旧約聖書においてイスラエルの民が真の神を忘れ、金の偶像を崇拝したという寓話に由来し、物質主義や他力本願を象徴している

カストロはここで、外部の援助や奇跡的な経済成長を無条件に待望する姿勢を痛烈に批判し、自立と即時の行動こそが問題解決の鍵であると訴えている。キューバは長年アメリカの経済封鎖や資源不足に苦しんできたが、それでもなお国家としての能力と国民の労働力を生かせば、住居という基本的ニーズを満たすことは可能であるという前向きな現実認識が込められている。

現代においてこの言葉は、政策や社会改革が理念や資源に恵まれていても、それを行動に移す政治的意志と集団的決断がなければ現実は変わらないという普遍的な警告として響く。カストロのこの発言は、希望を空想に委ねるのではなく、自国の力と現実的行動によって未来を切り拓くべきだという、実践的かつ倫理的な呼びかけである。

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