「ここにあるのは共産主義やマルクス主義ではなく、代表制民主主義と社会正義、そして計画経済のもとでの秩序である」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“There is not Communism or Marxism, but representative democracy and social justice in a well-planned economy.”
日本語訳
「ここにあるのは共産主義やマルクス主義ではなく、代表制民主主義と社会正義、そして計画経済のもとでの秩序である」
解説
この言葉は、キューバ革命後の体制をイデオロギー的に再定義しようとするフィデル・カストロの意図的な言説である。カストロは革命初期において、キューバの新政権を「共産主義」と断定されることに慎重だった。ここで語られているのは、自らの体制がソ連型のイデオロギー的マルクス主義ではなく、あくまで国民の意思を反映した民主主義と社会正義を重視する制度であるという主張である。
注目すべきは、「代表制民主主義」という表現であり、これはアメリカ的な自由主義民主主義とは異なるが、国家が民意に基づいて行動しているという正当性の主張である。また「計画経済」の導入によって、富の再分配や貧困削減を実現しようとする姿勢が「社会正義」と結びつけられている。カストロはここで、イデオロギーよりも実際的な成果と倫理的価値観を重視するという政治的ポジショニングを試みている。
現代においてもこの発言は、制度の名前よりも中身の実効性や理念を問う政治的態度の例として読むことができる。政治体制を評価する際、ラベルやイデオロギーにとらわれるのではなく、実際に人々の生活をどう改善しているかという視点が重要である。カストロのこの言葉は、体制の本質は名称ではなく、その機能と目的にあるという政治哲学を体現している。
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