「人類が生き延びるために不可欠だと私が考える条件――すなわち、地球の物質的資源へのすべての人々の平等なアクセス――に、世界はまだ到達していない」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“The world has not yet reached the point which, in my view, is an essential condition for the survival of our human species: access by all the peoples to the material resources of this planet.”
日本語訳
「人類が生き延びるために不可欠だと私が考える条件――すなわち、地球の物質的資源へのすべての人々の平等なアクセス――に、世界はまだ到達していない」
解説
この言葉は、フィデル・カストロが人類の存続にとって根本的に必要な条件として「地球資源の公平な分配」を挙げ、現代世界の構造的不平等に対する批判を表明した発言である。資源とは、食糧・水・エネルギー・医療・教育など人間の基本的生活を支えるものであり、それが一部の国や階級に集中している現実が、紛争、飢餓、環境破壊の根本要因であるという認識が込められている。
「人類の存続(survival of our human species)」という表現は、単なる倫理的訴えではなく、この不平等が続けば地球規模の危機――気候変動、難民問題、戦争――により、文明そのものが危険にさらされるという警鐘でもある。カストロは、こうした資源への独占と格差が資本主義的世界秩序の本質であり、それに対抗するには国際的連帯と社会的正義を基盤とする新しい秩序が必要だと主張してきた。
現代においてこの言葉は、気候変動・グローバル格差・南北問題など、持続可能性をめぐる地球的課題に対する根源的な問いかけである。カストロのこの発言は、真のサステナビリティとは技術的解決ではなく、資源の分配とアクセスの平等なしには実現しないという、倫理的かつ政治的ビジョンを示す声明である。
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