「石油とガスの浪費は、人類が被っている最大の悲劇のひとつ――しかもまったく解決されていない――すなわち気候変動と結びついている」
- 1926年8月13日～2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“The squandering of oil and gas is associated with one of the greatest tragedies, not in the least resolved, which is suffered by humankind: climate change.”
日本語訳
「石油とガスの浪費は、人類が被っている最大の悲劇のひとつ――しかもまったく解決されていない――すなわち気候変動と結びついている」
解説
この言葉は、フィデル・カストロが環境問題、とくに気候変動に対して発した明確な警告であり、資源の乱用が地球規模の危機を招いていることへの深い懸念を示した発言である。カストロは、発展途上国の利益や将来世代の権利を守る観点から、資本主義経済がもたらす過剰消費と環境破壊を厳しく批判してきた。ここでは、特に石油と天然ガスの浪費が、気候変動という未解決かつ深刻な危機に直結していることを明示している。
「not in the least resolved（まったく解決されていない）」という表現は、政治的・経済的対応が不十分である現状への苛立ちを伴っており、単なる自然現象ではなく、人為的な責任の問題として気候変動を捉えている点に特徴がある。この視点は、単にエネルギー政策の問題ではなく、人類の倫理、社会正義、そして存続そのものに関わる問題であるという広範な警鐘となっている。
現代においてこの言葉は、化石燃料依存からの脱却と持続可能な社会への転換の必要性を訴える先駆的メッセージとして、ますます緊迫感をもって受け止められる。カストロのこの発言は、気候正義の観点から、資源を支配する富裕国と被害を受ける貧困国との構造的格差を突きつける、倫理的かつ政治的な訴えであり、環境問題の本質に迫る声明である。
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