「革命が社会主義的性格を持つようになったのは、ソ連の支援があったからではない。逆なのだ――ソ連の支援は、キューバ革命がもともと社会主義的性格を持っていたからこそ生まれたのだ。その証拠に、ソ連が消滅してもキューバは社会主義であり続けている」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“The Revolution did not assume a socialist nature because of support from the U.S.S.R.; it was the other way around: support from the U.S.S.R. was produced by the socialist nature of the Cuban Revolution. To such a degree, that when the U.S.S.R. disappears, Cuba keeps on being socialist.”
日本語訳
「革命が社会主義的性格を持つようになったのは、ソ連の支援があったからではない。逆なのだ――ソ連の支援は、キューバ革命がもともと社会主義的性格を持っていたからこそ生まれたのだ。その証拠に、ソ連が消滅してもキューバは社会主義であり続けている」
解説
この言葉は、フィデル・カストロがキューバ革命の独立性と理念的主体性を力強く主張した発言である。冷戦時代、キューバがソビエト連邦から経済的・軍事的支援を受けていたことから、「キューバの社会主義はソ連依存によるもの」とする見方が多く存在した。カストロはこの見解に明確に反論し、キューバ革命の社会主義的本質は外圧や援助の結果ではなく、自発的な民衆の意志と政治的選択に根差していたことを強調している。
「ソ連が消滅してもキューバは社会主義であり続けている」という指摘は、1991年のソ連崩壊以降もキューバが社会主義体制を維持した事実を指し、支援国の崩壊に依存しない体制の理念的・制度的安定性を証明する根拠として提示されている。これはまた、社会主義が単なる外交戦略や外的便宜ではなく、国家の中核的価値体系であるという政治哲学の宣言でもある。
現代においてこの言葉は、国家体制や政治思想の正統性が外部支援によって規定されるのではなく、内発的な理念と国民の意思に根ざすものであるという重要な主権思想の再確認となる。カストロのこの発言は、革命が真に自立しているとはどういうことか、そして理念を維持するとはいかなる試練を意味するのかを示す、深く原則的なメッセージである。
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