「キューバの国営企業の収益は、すべてそれが属する人民の利益のためだけに用いられている」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“The revenues of Cuban state-run companies are used exclusively for the benefit of the people, to whom they belong.”

日本語訳

「キューバの国営企業の収益は、すべてそれが属する人民の利益のためだけに用いられている」

解説

この言葉は、キューバ革命が掲げてきた経済モデルの根幹である「人民主権による富の管理と再分配」への忠誠を表す発言である。フィデル・カストロは、資本主義社会における企業の利益追求が一部の資本家や外国資本の私利に流れる構造を批判し、国家の産業は人民全体のものであり、その利益もまた人民に還元されるべきであるという社会主義の理念を一貫して訴えてきた。

「それが属する人民(to whom they belong)」という表現は、企業や生産手段の所有権が国家を通じて国民にあるという社会主義的な共同所有の原則を強調している。この言葉には、教育、医療、住宅、文化、福祉といった公共サービスの財源が、人民の労働によって生み出された収益から直接支えられているという誇りと正統性の意識が込められている。

現代においてもこの言葉は、経済格差や利益の集中が深刻化する中で、経済のあり方を再考する視点を提供する。カストロのこの発言は、国家の役割とは富を一部の者に集中させることではなく、公共の利益のために公平に分配することであるという、社会正義に基づく経済観の表明であり、経済と倫理の関係を再確認するメッセージとなっている。

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