「私がカダフィを最後に訪れたのは2001年5月のことだった。レーガンが彼の質素な住居を攻撃してから15年後であり、彼は私をそこに連れて行って、どのような状態にされたかを見せてくれた」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“The last time I visited Qaddafi was in May of 2001, 15 years after Reagan attacked his rather modest residence where he took me to show me how it had been left.”

日本語訳

「私がカダフィを最後に訪れたのは2001年5月のことだった。レーガンが彼の質素な住居を攻撃してから15年後であり、彼は私をそこに連れて行って、どのような状態にされたかを見せてくれた」

解説

この言葉は、国際政治の暴力的な現実と個人的な外交関係が交差する場面を描いた証言である。フィデル・カストロが述べているのは、1986年にアメリカのレーガン政権がリビアを空爆した「エルドラフィ作戦」の結果として、ムアンマル・カダフィの住居が破壊された出来事である。その後15年を経て、カダフィ自身がカストロにその爪痕を見せたという場面には、アメリカの軍事的介入の記憶を忘れないというメッセージが込められている。

この発言からは、反米的立場に立つ指導者同士の連帯感と、国家主権への侵害に対する共有された怒りが感じ取れる。カダフィの住居を「質素」と表現することで、権力者というよりも、被害者としてのカダフィ像が強調されている。これは、アメリカの覇権主義に対する道義的批判と、暴力によらない国際関係の必要性を訴える含意を持つ。

現代においてもこの言葉は、空爆や政権転覆といった強硬策がもたらす長期的影響や、国際法と主権尊重の原則を再認識させるものである。カストロの証言は、外交とは記憶の継承でもあり、歴史の教訓を未来に生かすための手段でもあるという認識を我々に与えている。

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