「申し訳ないが、私は今でも弁証法的唯物論者だ」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“Sorry, I’m still a dialectical materialist.”

日本語訳

「申し訳ないが、私は今でも弁証法的唯物論者だ」

解説

この言葉は、フィデル・カストロが自らの哲学的立場を率直に示したものであり、マルクス主義の根幹をなす「弁証法的唯物論」に今なお忠実であることを宣言している発言である。弁証法的唯物論とは、世界の変化や社会の発展は物質的条件に基づき、矛盾と対立を通じて進化するという歴史観・世界観であり、唯物論に弁証法的運動の原理を加えたマルクス主義哲学の中心的枠組みである。

「申し訳ないが(Sorry)」という前置きには、他者との議論の場での軽い皮肉や挑戦的なユーモアが込められており、相手が理想主義的・宗教的・非唯物論的な世界観をもっている場合に、それと一線を画す自己主張として機能している。これは、議論において譲れない思想的原則を柔らかく、しかし明確に表明するための言葉とも言える。

現代においてこの言葉は、世界を変革するには現実の物質的条件に立脚しなければならないという、思想的立場の確固たる確認として読むことができる。カストロのこの発言は、理想や感情に流されず、社会の構造と力関係を科学的に分析し、実践に結びつけるというマルクス主義者としての知的誠実さを体現する、短くも力強い思想宣言である。

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