「かつてアメリカ合衆国はイギリスの植民地だった。もし当時イギリス人に、アメリカが独立すると思うかと尋ねたなら、彼は『いや、アメリカは永遠にイギリスの植民地だ』と答えただろう」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“Some time ago, the United States was an English colony. If an Englishman were asked if the United States would be independent, he would have said no, that it would always be an English colony.”
日本語訳
「かつてアメリカ合衆国はイギリスの植民地だった。もし当時イギリス人に、アメリカが独立すると思うかと尋ねたなら、彼は『いや、アメリカは永遠にイギリスの植民地だ』と答えただろう」
解説
この言葉は、歴史の予測不可能性と、支配されている側の民族や国家がいかにして予想を覆して独立と自由を勝ち取るかを示す、フィデル・カストロの比喩的な政治発言である。アメリカの独立は当初「不可能」と見なされていたが、実際には歴史的転換が起こったという例を引き合いに出すことで、現代の革命や抵抗運動が「非現実的」「不可能」と評価されていても、決してそうではないという主張が込められている。
ここでの「イギリス人」は、既存の支配者の視点に立つ者の象徴であり、彼らの楽観的支配観は往々にして現実の変化を見誤るという批判でもある。カストロはこの語りを通じて、支配体制は永続するものではなく、被支配者の意志と行動によって歴史は動き得るという革命的歴史観を鮮やかに提示している。
現代においてこの言葉は、植民地主義や帝国主義的体制、あるいは強権政治に対して、民衆がどのようにして希望と行動を通じて変革を実現し得るかという力強いメッセージとして読み取れる。カストロのこの発言は、歴史は常に変化し得るものであり、今日の現実が明日の真理ではないという、解放と自決の原則に基づいた政治的激励の言葉である。
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