「宗教的信仰も政治的信念も、理性と思考、そして感情の発達に基づくべきである。この二つは切り離せないものだ」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“Religious faith, like political belief, should be based on reasoning, on the development of thought and feelings. The two things are inseparable.”

日本語訳

「宗教的信仰も政治的信念も、理性と思考、そして感情の発達に基づくべきである。この二つは切り離せないものだ」

解説

この言葉は、フィデル・カストロが宗教と政治という一見対立的な二つの領域を、思考と感情に根ざす共通の人間的営みとして捉えていたことを示す、極めて哲学的な発言である。カストロは無神論者でありながら、宗教的信仰を単なる盲従としてではなく、理性と内面的成熟を伴うものとする姿勢に一定の敬意を示している

「理性と思考、そして感情の発達に基づくべきである」という表現は、政治的信念が感情的な扇動ではなく、深い理解と倫理的共感に支えられていなければならないという彼の政治観を映し出している。同時に宗教に対しても、無批判な信仰ではなく、個人の内面的熟成の一部としての信仰を肯定している点で、独裁的な唯物主義ではない柔軟な思想性が垣間見える。

現代においてこの言葉は、分断が激化する中で、宗教と政治、感情と理性といったものが本来分離不可能であるという人間観を再確認させるメッセージとしての意義を持つ。カストロのこの発言は、思想と信仰、理性と情熱の調和によってのみ、持続的で人間的な社会が築かれるという深い人間理解に基づく提言である。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る